Q 部なのにやりたいことが見つかるんですか ?
そもそも勉強をするのは将来のためですよね。
でも、子どもにとっては将来というのはとても遠い話で現実味がありません。
だからわからないでイヤになる勉強をするよりも今楽しいゲ−ムをしてしまうんです。
当教室では基本的に勉強を教えることはしておりません。
それよりも大切なのは「こんなことをしたい」「こんな風になりたい」という目標です。
はじめはどんなことでもいいんです。「やりたい」ことからはじめて、少しずつ成功体験を積んでいくと、
「出来る!」って自信がついて、やりたいことが見つかってきます。
Q 具体的なエピソ−ドがあれば教えてください。
生徒が一人旅へ行ったんです。中学3年の男の子なんですけど、学校が馴染めずあまり登校出来ていませんでした。
本人と話をすると、コミュニケ−ション能力をつけたいと。
気を遣いすぎて周りの友達と会話するのを遠慮してしまうみたいなんです。
もっといろいろな人と話せるようになりたいと言うことで、一緒に考えて一人旅をおこなうことになりました。
1ヶ月ほどをかけて、どこへいくのか、なにをするのか、どんなミッションをおこなうのか話し合いました。
シャイな彼が一泊二日で長野から帰ってきたときには顔つきが変わっていて、
旅先で出会った20人もの人たちに応援のコメントをノートに書いてもらっていました。
一人旅から帰ってきたあとは、自信がついたみたいで、苦手な勉強にもガンバって取り組んでいたんですよ。
Q やりたいことは、すぐに見つかるものですか?
どうしても時間はかかりますね。まずは、しっかり生徒と信頼関係を築くことからはじめないといけません。
なんでも話せるなと思えない相手には、やりたいことなんて言えないでしょ?
じっくり話を聞いてあげて、やりたいことを聞きます。
そして、大切なのは成功体験です。なにかうまくいけば、自信がつきます。
一人旅に行った彼が顕著で、旅を経験したことで勉強もがんばれるようになりました。
失敗してもいいからどんどん挑戦させる。そうすると、いくつかはうまくいくんです。
成功体験を積んで、自信がつくと、次のやりたいが見えてくるんです。
そうやって、少しずつ少しずつやりたいことを生徒は見つけていきますね。
Q 生徒さんがやりたいことを見つけるために心がけていることはありますか ?
とことん寄り添うことを大切にしています。まずはじっくり聞く。
しっかり聞く姿勢をとってあげないと、「この人は聞いてくれない」となってしまうんです。。
どんなことをしたいか、どうなりたいかをじっくり聞いたあとで、目標を一緒に考えます。
そのときもあまり口出ししないようにしています。
たとえば、生徒が毎日漢字を2つ覚えるという目標にしたとします。
大人から見ると、もっと覚えられると思いますが、本人がそれでいこうと思うのであれば気持ちを尊重します。
やらされる目標ではやる気は出ません。自分でやろう、達成したいと思う気持ちがなによりも大切なのです。